東京における通勤電車のお作法(基礎編)
東京の通勤ラッシュが過酷であることは皆さん承知だと思う。
私は初めて通勤電車に乗り込む際、その見たこともない異常な混雑に「さすがにこれには乗れないだろうから次の電車に乗ろう」と一本電車をやり過ごすことにした。しかし、次の電車がまったく同じ混雑ぶりで到着したとき「これが東京の日常なのか…」と絶望したことを覚えている。
さて、我々初めての上京組がこの過酷な通勤ラッシュに立ち向かうためには、まずその掟を学ぶ必要がある。
東京の通勤者は以下のような暗黙のルールに則り、秩序を保っている。毎年4月や9月に現れる通勤ルーキー達はそのルールを守れないため、上級者からの厳しい目線にさらされることになるので習得必須のスキルである。熟読されたい。
覚えておくべき電車でのお作法
- リュックやでかいカバンは前に抱えて
- 自分の前後左右に隙間ができていれば少し詰める
- ドア口付近に立っていた場合、降車駅でなくても一旦降りて降りていく人をやり過ごす
- 降りたい駅で、前に人がいて降りれない場合は勇気を出して「降りまあす!」と声を上げると不思議とスッと道が開ける
- 混雑時には隣や前後の人と向かい合わせにならないように注意して乗り込む
特に高度なスキルが必要な 「5.混雑時には隣や前後の人と向かい合わせにならないように注意して乗り込む」について解説しよう。
すでにぎゅうぎゅうに混雑した電車に乗り込む際、一番手前の乗客がどちらの方向を向いているかがポイントとなる。
上記のように、乗り込む際に先客がこちら側を向いている場合、後から乗車する我々は彼らの正面にそのまま乗り込むと、顔面を突き合わす形となってしまい、とても気まずい思いをする。そのため、乗り込んだ瞬間くるっとターンし、自らも出口側を向く。
自分の後から乗り込んできた乗客も、私と向かい合うのを避けるため、同様にターンを決めてくれるので安心してほしい。
上記のように先客たちが向こう側を向いている場合、そのまま進行方向に乗り込んでも全く問題ない。むしろ、こうした場合に逆方向を向いてしまうのは空間のロスを発生させるためお勧めしない。
こうしたルールを個々が徹底して守ることで、東京の住民たちは過酷な日常を生き抜いているのである。
東京マジぱねえわ。
※ 満員電車に乗り込んだ際のポジション取りについては次回の「通勤電車のお作法(応用編)」で詳しく解説する。